ゲーム王国という番組をご存知でしょうか?
「ゲーマーの、ゲーマーによる、ゲーマーの為の30分」をコピーにしたゲーム番組です。
調べてみると出演者や、放送時間帯が時期によってまちまちなのですが、
私としては、土曜の7時30分から8時00分までの30分番組としての印象が強いです。
司会に動物鳴きまねでおなじみ、江戸家子猫、アシスタントに林家いっ平を迎えています。
出演者からして異様な雰囲気を醸し出していますが、番組のスポンサーとして登場してくるゲームメーカーも
カルチャーブレーン、ケムコ等、「俺たち一線級!」とは言い難い、一癖あるメーカーが多かったのも特徴です。
ゲーム番組としていろいろと謎な部分を備えたこの王国ですが、当時はそれほど違和感なく、また周りの反応も結構上々だったと記憶しています。
この番組は基本的に、ゲーム紹介コーナー、裏技コーナー、観覧者の対決コーナー等で構成されていました。(と思う)
何と言っても思い出深いのは、番組観覧者がゲームで対決するコーナーです。
使用するゲームは、定期的に変わるのですが、僕が覚えているのは、”SD飛龍の拳64”(だったと思う)ですね。対決の勝者には、天体望遠鏡(!?)が与えられます。しかし、これは子供用番組。敗者の方にも、残念賞として、対決に使用したゲームが送られます。
明らかに望遠鏡の方が高価でお得なのですが、当時私達の間では、「ゲームがもらえるから、負けたほうがよい」という派閥が多数を占めておりました。
今考えると飛龍の拳64などもらったところで、近くの中古ゲーム屋へGO!なのですが、厳しい財政難に晒された小学生の我々は、「クソゲーでもゲームはゲーム」という思想に支配された、ゲームと名のつく物であればどんなものでもしゃぶり尽くすサバイバーだったのです。
クソゲー掴まされた!と頭ではわかりつつも、「このゲーム楽しい気がする!楽しいんだ・・!楽しいはず!」という自己洗脳を繰り返し、違和感を感じながらゲームを遊ぶ、小学生達の苦悩を、無念を理解していただけるでしょうか?
▲た、楽しいんだ・・楽しすぎる!・・はず!
少し話題がずれました。
番組内で残念賞であるゲームを渡された小学生は例外なく微妙な顔をしていたことを考えると、対戦中、実際にプレイすることで、”違和感”に気づいてしまったのでしょう。望遠鏡をもらった勝者も微妙な表情でしたが。
先述の通り、この王国で紹介されるゲーム群は、一癖あるメーカーが発売していたもの。
圧倒的知名度の低さゆえか「あ、このゲーム〇〇君が持ってる!」みたいな、ある種の親近感のような物を持つことを許されず(紹介される裏技も試せないよ!)
「このゲームは本当に存在するものなのか?」と、現実とは違う世界を覗き見ているような不思議な魅力がありました。(基本的に出荷本数が少なかったのか、この番組オススメのゲームを見かけた記憶なし)
この番組、結構長く続いたようですが、現在も続くコンテンツとなることは出来ませんでした。僕としては結構好きだった番組であったに違いありません。
今は亡き番組ですが、あの当時僕は、別世界に存在するゲームの王国『ゲーム王国』の住人だったのです。