『悟空伝説 -Magic Beast Warriors-』実写に着ぐるみを足して…はい!バカゲーいっちょあがり! 

悟空伝説-Magic Beast Warriors- :プレイステーション

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モータルコンバットを始めとした所謂実写格闘ゲームというジャンルは、それほど珍しい存在ではありません。しかし、実写が故の違和感が漂うその珍味は、日本市場では受け入れがたいものだったのです。
プレステのラインナップの中に西遊記をモチーフにした実写格闘ゲームがあります。
それがこの『悟空伝説 -Magic Beast Warriors-』です。
ただの実写格ゲーでは終わらないバカさ加減が魅力の本作。実写ゲーというジャンルを一段階上に引き上げたその要素とは…

西遊記の格闘ゲーム

オッス!オラ悟空!…の方ではない孫悟空が主役の西遊記を題材とした格闘ゲームである本作。
所謂ストⅡライクな感覚でプレイできますが、超必殺技がなかったり、かといって新しいシステムもないし、
プレステで発売されている割には、古臭い印象が否めない平凡な格闘ゲームになってしまっています。



それもそのはず、『悟空伝説-Magic Beast Warriors-』が力を入れているのはそんなところではないのです。
西遊記というメジャーどころからキャラをもってくるにあたり、キャラクターの表現方法に重きを置いているのです。

本作の登場キャラは全て実写です。
過去の実写ゲーの散々たる散りっぷりを鑑みると、実写化を選んだ時点で、道を踏み外している気がしますがちょっと待ってください。
ゲームというバーチャルを体験するための世界に無理やり実写の現実感を混ぜてしまうことでどこか浮いている感じになってしまっているのが、実写ゲーが敬遠される理由でしょう。

本作は、ここに一味加えることで実写ゲーの違和感を緩和させる試みがなされています。
どういったことかというと、このゲーム孫悟空をはじめとする登場キャラが着ぐるみを着ています

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オッス!オラ悟空!(着ぐるみの)
着ぐるみを着ることで、結果的に実写特有の異物感を消すことに成功し……ませんでした。
むしろ、道を踏み外すどこらか、マンションの7階からアイキャンフライしてしまっている某俳優を彷彿とさせる見事なダイビングっぷり。

開発スタッフの胸中は如何なものだったのでしょうか。
常人に推し量ることは難しいですが、
着ぐるみの力を借りても実写ゲーの権威は確率できないことがここに証明されました。

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対戦画面は、意外と違和感なくドット絵っぽい。
初めからドットでやれ!

着ぐるみショー「ストーリーモード」

シンプル イズ ザ ベスト。選べるモードは、「STORY MODE」と「VS MODE」のみ。
オプション項目が少ないゲームというのは度々ありますが、『悟空伝説』ではオプション自体をまるまるカット。もう難易度選択やステレオorモノラルで悩む必要はないぜ。
実写+着ぐるみという鬼門を開いてしまったスタッフの思い切りの良さがそうさせたのか?、あるいは、着ぐるみ費用で予算が尽きてしまったのか?

推測は尽きませんが、とにかくメインは「STORY MODE」になります。
「STORY MODE」では、対戦の合間にムービーが用意されており、N〇Kさながらの着ぐるみショーを楽しむことができます。
異様な空間に佇む悟空。そこに助けを求める女性の声が…。何がなにやら分からぬまま、かつての旅で出会った仲間やライバル達が、敵として悟空の前に立ちはだかる。一体どうなっているのか分からぬまま悟空は戦い続ける。

こんな感じでストーリーは展開されますが、本当に何がなにやら分からぬ展開で、猪八戒や沙悟浄が次々と襲い掛かってきます。エンディング(なんとマルチエンディング)まで進めても何がなにやらわからないので、あまり気にしないようにしましょう。
倒した敵は仲間になり、次の対戦時に選択できるようになるという魁!男塾スタイルを採用。
ムービーで展開される着ぐるみショーは中々見ごたえがあり、「どこだ、ここは…」とか「誰だ!」とかが連発される適当なストーリーで無ければおもしろいものになりそうではあります。

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中々に力が入った着ぐるみ達。しかし、着ぐるみである必要は…。

何だかんだ(本当に何だかんだ)でストーリーの最終ボスとして君臨するのは全身武器の着ぐるみを纏った哪吒太子。
演じている女優さんは、結構お綺麗なのですが、なまじ実写なだけに、
手がドリルな女は嫌だなぁという感想しか生まれてきません。


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ドリルを装着した時、この女優さんは何を思ったのかな…。


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全身武器の女も嫌だなぁ。

その開拓精神は買いたいが

「実写+着ぐるみ」という辺境のジャンルを切り開いた勇気ある開拓者である本作。
しかし、後に続く者のない現状を見る限り、不毛な荒野だったようですが。
しかし、そのパイオニアスピリッツには大いに敬意を表したいところです。
それ以外に褒めるところがないのがたまにキズですね…。

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