ポリゴンゲー創生期には、実写ゲーが必要だった!『フィスト』をプレイしたら悟りが開けた。

 今でこそ実写と見間違えるようなCGが跋扈するゲーム業界ですが、ポリゴンゲー創世期、そのCGクオリティは散々なものでした。

  94年にプレイステーションが発売されてから、CGを駆使したゲームが続々と登場し、スーパーファミコン末期のFF等、高レベルドット絵で描かれるゲームを礼賛していたゲームキッズ達は、プレステ初期のグラフィックを小馬鹿にしながらも、その新技術への期待を膨らませていました。

CGを多用したゲームが増えるのと同時に、実写取り込みを行うゲームも増えていきました。なぜこのような現象が起こったのでしょうか?

ゲーム業界において、ゲームグラフィックが向上するというのは、現実(リアル)に近付くということとほぼ同義であることは、間違いないと思われますが、プレステ当初のスペックでは当然、”現実”を表現するようなゲームを作ることができません。

ですので、現実"に近付けるためにどうすればいいか‥ということをメーカーが考えた結果、現実をそのまま取り込むこと、つまり実写ゲーが誕生したというのが、私の考えです。

当ブログでは、実写ゲーム=バカゲーとして紹介することが多いですが、実写ゲーは、ゲーム開発者が抱く現実(リアル)への渇望が具現化したものだったと言えます。安易にバカにしてはいけません。(すいません)

今日取り上げる、3D格闘ゲーム『フィスト』をプレイすると、何故ゲーム開発者たちが、「現実をゲームで表現する」ために実写を取り入れてしまっていたのかを少し感じることができます。

 

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▲セガサターン版パッケージより。時代を感じるが、中々かっこいい構図。

 

『フィスト』は、実写ゲーではなく、3Dの格闘ゲームです。ガード、パンチ、キックの3ボタンという操作形態からも、3D格ゲーの祖「バーチャファイター」リスペクトな作品と言えます。

本作の売りは、なんといっても美少女キャラです。(何故か男が2人いるが)

今風に言うと萌え格ゲーといったところでしょうか。

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▲本作ヒロイン(?)であるマリンさん。

少し古臭さを感じる物の、かわいらしく描けていると思います。

そんな美少女キャラ達は、最新技術であるCGでどう表現出来ているのでしょうか?

 

 

 

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▲出来ませんでした。YOU WINと言われても‥。 勝ち負け以前に何かが間違っています。

 

当時の技術力は、現実(リアル)を表現するには、まだまだ物足りなかったということです。(にしても、もうちょっと頑張れただろ!)下手にCGを駆使してゲームを作ろうとして『フィスト』が生まれてしまうリスクを考えると、実写ゲーが多数存在したのも納得いくでしょう。

「実写に逃げず、敢えてCGで勝負した」と考えると『フィスト』に対する見た方も少し変わりますかね。

ただ、『フィスト』の場合、バーチャファイターに萌え要素を乗っけて、売り抜けようという安易な発想がチラチラと見えますので、過信は禁物です。

 

 

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ストリートファイターⅡを実写にしたらこうなった!『ストリートファイター リアルバトルオンフィルム』が表現したかった新世代ストⅡとは!

セガサターンは、実に2D格闘ゲームに適した機体でした。
ストⅡを始めとするいくつかの格闘ゲームは、パンチ、キックにそれぞれ弱中強がありますので、計6ボタンが必要になります。純正コントローラーの右手部分に6ボタンを装備していたセガサターンは、正に格ゲー特化マシンだったのです。

1995年、プレイステーション VS セガサターン派の紛争が激化する中、我々セガサターン陣営は、格ゲーに餓えていました。いや、ストⅡに餓えていました。

一方、ゲーセンでは、マイナーチェンジを繰り返してきたストⅡに代わる新機軸ストリートファイターとして、「ストリートファイターZERO」が稼働を開始していました。

こちらのZEROシリーズ、グラフィックは旧作に比べ綺麗になったものの、アニメ調のキャラデザインが一部のストⅡには、受け入れ難かったのか、狂賛否両論を生んでいました。

なにより、ZEROには、ダルシムがいないので、ヨガファンのダルシム系男子には、受け入れ難いものだったのです。

 

「とにかくストⅡがやりたいんじゃ!セガサターンで!後、硬派なキャラデザインも」という、わがままセガ系ストⅡ野郎どもの声援を受け、

ZEROの移植より先に、セガサターンにやってきたのが、硬派なキャラデザインを実装した『ストリートファイター リアルバトルオンフィルム』です。

さあ、軟派と揶揄されたZEROシリーズに対する形となった本作はどのようなものだったのでしょうか。 

 

 

 

 

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 実写でした。

 

 アニメ調デザインの反動が突き抜けてしまったため、うっかり実写でこさえてしまったことが予想されますが、このゲームは、前年にハリウッドで実写映画化された「ストリートファイター」を元に作ってしまったゲームなので、当然登場キャラクターは、全員実写です。

 

映画のストーリーを簡潔に説明すると、

連合軍の"ガイル大佐(原作は少佐)"が連合軍を率いて独裁者"バイソン将軍(日本で言うベガ)" を討伐しに行くといった感じなので、主人公はガイルになっています。

 

では、手始めに子供達歓喜のダルシムを見てみることにしましょう。手足伸び+火を吹くというキャラがどう表現されているのでしょうか?実写では表現が難しそうですが‥

 

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いませんでした。

 

そうです。ハリウッド版ストリートファイターでのダルシムは、ダルシム博士という謎の役割で登場しているので、闘いには参加していないのでした。

 

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映画のダルシム博士。えっ・・・。

 

代わりに"キャプテンサワダ"という見慣れないキャラが使用可能になっています。まあ、お馴染みのはずのリュウやケンも、見慣れない顔での登場なのですけども。ストリートファイター リアルバトルオンフィルム』は、このサワダの変態格闘技っぷりのおかげで一部で有名です。キャプテンサワダについては、別の機会に。

 

このゲーム、見た目はとことんバカっぽいのですが、意外にしっかり作ってあります。

というのも、これの前作にあたる「ストリートファイターⅡ ザ・ムービー」という作品があり、(こちらも当然実写)この出来のひどさに焦ったカプコンが、スパⅡXベースに作られたのがリアルバトルオンフィルムだったということらしいです。

なので、対戦バランスがどうかは別として、見た目の効果もあり、友達との対戦では非常に盛り上がれます。

 

私としては、キャプテンサワダがどうこうより、

異様に似ている実写ザンギエフを操作できるのが嬉しいお気に入り格ゲーの一つです。

 

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に、似過ぎ!まるで実写!

 

 

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今季ブーム到来か!?新しい格闘技 ”風雲拳"を始めよう!『風雲黙示録』を参考に始める"風雲拳”特集!

風雲黙示録 格闘創世:NEOGEO

風雲黙示録 タイトル

 秋が近付いて参りました。秋と言えば、味覚の秋。だからといって、何の考えもなくモリモリ食べてばかりいては、体重計の目盛りと格闘する日々を送るばかりで、秋を満喫することはできません。

食べる分だけ運動すればいいんだ!と思い立っても、

ウォーキング?ランニング? 自転車?

今から始めても長続きしないかも・・・・。

と思っているアナタ!思い切って新しいスポーツを始めてみては、いかがでしょうか?

そんなあなたにおススメする全く新しい格闘技 "風雲拳"をご紹介します。

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あなたの知っているテコンドーは間違っています。『ファイトフィーバー』が教える正しいテコンドー知識をあなたに。

 テコンドーとは、多彩な足技が特徴の格闘技で、韓国の国技でもあります。ゲーム界にも、テコンドーを題材としたゲームがいくつか存在します。そのひとつが今回取り上げる2D対戦格闘ゲーム『ファイトフィーバー』です。 

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▲外観は、オーソドックスな2D格ゲー。

 

『ファイトフィーバー』は、餓狼伝説、龍虎の拳、でおなじみのSNKが提携を結んだ、ビッコムが開発を担当しており、韓国に本社を置くビッコムがテコンドーを題材としたゲームを作ったのは、自然の流れだったのでしょう。

MVS用(業務用のネオジオを指す)として、94年に稼働を開始したこのゲームは、ストⅡが巻き起こした格闘ゲームブーム真っ只中放たれた韓国からの刺客でした。

どのようなゲームなのか?まずは、下のキャラクター選択画面をごらんください。

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  ▲バラエティに富んだ面々。どこかで見たことあるような感じを受けるのは、気のせいだ。というか画面見にくいんですが・・・。

 

左上のリュウ・・・いや、「ハン・ペダル」(韓国代表)が主人公で、もちろんテコンドー使いです。

後、左下のライバルキャラ「キム・フーン」(メキシコ代表)もテコンドー使いです。使用キャラに2人もテコンドー使いがいる時点で、格闘ゲームとしては異色な存在なのですが、他のキャラクターも全員テコンドー使いという設定なので、テコンドー大好き格闘ゲームプレイヤーにとっては、まさに至高のゲームです。

では、格闘ゲームという舞台で表現されるテコンドーの妙技を見ていきましょう。(ちなみにこのゲームのコマンド技は、”必殺技”ではなく”必勝技")

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 ▲アメリカ代表テコンドー使い”ニック・コマンド―”は、「”ジェ○イソンみたいなホッケーマスクのテコンドー使い”を格闘ゲームで操りたい!というプレイヤーには至高の存在。

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▲石(爆弾?)を投げるニック氏。一見、テコンドーに見えないかもしれないが、地面を"蹴る"左足が、石に推進力を与えている。広い足技の解釈もテコンドーの魅力の一つだ。

 

 

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 ▲ブラジル代表テコンドー使い"ゴルリオ" は、原住民系テコンドー男子

 

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 ▲写真だと分かりにくいが、腹を軸にして、回転してます。やはり、一見、テコンドーに見えないかもしれないが、技名に「亀腹脚」と書いてあるのでOKだ。

とりあえず、いくつかテコンドーの奥義をご覧頂きましたが、これは、まだほんの一部です。これを機に、今までテコンドーを知らなかった方も、『ファイトフィーバー』を通じてぜひテコンドーを学んでいってくださいね。

最後にゴルリオ氏の言葉で締めます。

 

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▲笑ってます。誤植ではありません。勝負たならないのです。

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インド人って火を吹いたり、手足が伸びたりしないんですね。ダルシム(インド代表)から学んだ事。

 幼少の頃得た知識というものは、なかなか忘れないもので、忘れたようでも深層心理として蓄積されているようです。

僕を含めファミコンブーム真っ只中で、幼い時間を過ごした方々は、TVゲームというひとつの文化の中で様々な知識をオラオラと叩き込まれてしまっています。

南アジア随一の面積と世界で第2位の人口を誇る大国であるインドという国があることはご存じかと思います。

インドというと、まず一番にカレー、そして最近では、数学に強いことや、IT関連産業の躍進が取り沙汰されることが多いです。

しかし、私と同世代が思い浮かべるインド人は、「火を吹く」「手足が伸びる」「ヨガ」というイメージに支配されてしまっています。

その背景には、『ダルシム』というゲームキャラがいます。このキャラは、対戦格闘ゲームの『ストリートファイターⅡ』で初登場しました。同シリーズは、現在の対戦格闘ゲームを形作り、今もなおシリーズが発売されている人気シリーズです。

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スーファミ版説明書より。"インド代表" とあります。代表なんです。やっぱりカレーが好きなんですね。

1991年『ストリートファイターⅡ』がアーケードで稼働したことが始まりです。翌年92年、同タイトルはスーパーファミコンに移植され、インド人についての間違った知識は、多くの子供たちの潜在意識へ刷り込まれていったのです。

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「ダルシム」という存在による間違った知識の刷り込みは、当時の小学生にとって強力でした。

小学生ぐらいの年頃は、多感な時期ですし、得る知識は、ほぼ新しい事ですから、教え込まれるという意識はなく、自然に常識として認識してしまう感じです。

ダルシムは必殺技名、全ての頭に"ヨガ"がついているので、ヨガ→インドの格闘技と認識するまでに、時間は必要ありませんでした。

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火吹きます。

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 手伸びてます。

さらに、『ストリートファイターⅡ』のバージョンアップ版である「ストリートファイターⅡ' TURBO(初代Ⅱから数えて3作目) には、ヨガテレポートなる技が追加され、ヨガの力でテレポートが可能になってしまいました。

インド人は手足が伸びるよ!というダルシムの教えに懐疑的だった賢い小学生も、

 

「テレポートはさすがにやりすぎ。誇張しすぎ(笑)

      ⇒⇒⇒・・・でも、手足ぐらいは伸ばせるんじゃないか?

 

という思考に誘導されていってしまっていたのでした。

今のシリーズに触れる小学生達も間違ったインド人観を刷り込まれているのでしょうか?

ネットが普及して知識の入手が容易な昨今、ダルシムがどこまでの影響力を発揮できているのか、気になるところですね。

少し大げさに書いてしまいましたが、最近のヨガブームが始まる、ヨガ =格闘技だと思っていました.....。手が伸びないインド人の存在を知って、まあ、そうだよな。と思いつつも妙にがっかりした気分に見舞われるんですよね。