とにかく◯ボタン連打でお願いします『釣りキチ三平 THE 釣り』

SIMPLEキャラクター2000シリーズ vol.09 釣りキチ三平 THE 釣り

釣りを題材にゲーム、所謂釣りゲーは山ほど存在しますが、SIMPLEキャラクターシリーズでは「釣りキチ三平」を冠に据えることで、釣りゲーをラインナップに加えることに成功しました。
ガンダムで軍人将棋をしたり、サイボーグ009でブロック崩しをしちゃたりの、他のSIMPLEキャラクターシリーズ郡と比べて、「釣りキチ三平」で「釣り」をするという極真っ当な紳士的なコンセプトを有する本作。
しかし、SIMPLEシリーズ全体を通しても随一のシンプルすぎる操作はいかがなものでしょう。

◯ボタン連打はなんなの？

釣りゲーと聞いたらどういった物を思い浮かべますか？
良さげなポイントを選ぶことから始まり、狙う魚に合わせたロッド、リール、ルアーを選び、ロッドを振る。
テクニックを駆使し、魚が求めるエサの如くルアーを動かし、獲物を待つ。

一般的にこんな構成がなされているのが釣りゲーです。

しかし、本作「釣キチ三平 THE 釣り」では、こんな糸井で重里な釣りライフは推奨されていません。
というか、出来ません。

というのも今、挙げた釣りゲーのイメージは所謂バス釣りを想定したもの。
ところが我らが三平さんは、そんなハイソな釣りは一切知らず、
"竹竿"に"浮き"という非常にシンプルな装備で釣りに挑みます。

本作の流れを簡単に説明すると、
ポイントを選ぶ→浮きを投げる→待つ→ヒット(魚がかかる) →釣り上げる
という釣りの流れを非常にシンプルに表現したもの。

本来釣りとは、テンションを気にしながら、いつ、どういう強さでリールを巻くか、そのタイミング、強弱で魚を手繰り寄せてくるのが熱いはずなのですが、
そもそもリールという概念が存在しない三平さんの釣りは、
竿を左右に振って魚を疲れさせる→勝ち
というシンプルを煮しめたような極まったスタイルですので、操作も単調になりがちです。

画面左下にあるのが魚の体力ゲージです。魚の進行方向と逆に竿を振る(十字キー左右)ことで、体力ゲージを減らせます。この操作で、画面上部にあるテンションゲージが溜まってしまいますので、たまに、十字キーをニュートラルに戻します。体力ゲージを"0"にすることで、釣り上げ成功です。
いやー、シンプル。

たまに、魚の体力ゲージが点滅して、”〇を連打”と表示されますので、連打しましょう。
この操作が”釣り”の何を表しているのかは不明ですが、とりあえず連打してください。
釣りキチ三平 THE 釣り
とりあえず連打おねがいします。

それにしても、魚体力ゲージが実写の魚を使用しているのか、非常に生々しいです。
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キャラゲーとして見れば‥

操作形態はアレなのですが、これはキャラゲー。
ただ釣りを楽しむのではなく、釣りという行為に目的を与えるストーリーが用意されています。

ステージ毎に目標として設定されている魚、つまりボスを釣り上げればそのステージはクリア、次のステージに進めるようになります。

ストーリーは７つ用意されており、ボスとして、各ステージのボスとして、
宇宙鮒、沢坊主、といったパッと聞いただけでは、謎が残る魚達が釣るべき目標として控えています。
上記の通り、釣りパート自体はつまら…いや、単調なので、こういうストーリーがあるのは、素直にうれしいです。

特に印象的なのが、３つめのストーリー「おっぽり沼の緋鮒(ヒブナ)」であります。

三平さん達になじみの釣りスポットである、おっぽり沼が地主の一存で埋め立てられることになってしまいました。
沼に住む魚達はどうなってしまうの？
そこで、立ち上がった三平さん。
なんと「魚を釣りまくって他の池に移住させる」という無茶を言い出します。全部の魚を移住させるのは無理そうだけど、とりあえずやってみるしかない。

ステージ開始時、三平さんが掲げる目標が「とりあえず、20匹ほど釣るべ」。
釣りパートの退屈さ…寧ろ、恐ろしさを知っているプレイヤーにとってはこれ以上にない恐怖の数字であります。

竿を投げて、左右に振って…

この修行とも、苦行とも言える動作を延々続けて20回目、ついに終了の時が訪れます。
そこで、我らが三平さん「ようし、こうなったら今日は釣れるだけ釣りまくるだ！」との非常な宣告。

残業決定です。

残業に次ぐ残業で、このステージのボスとなる緋鮒をGET。
全身赤い鮒は珍しいから、こんな魚がいる沼は埋め立てられないだろうとのことで一件落着。めでたしめでたし。
うん、20匹も釣る意味はなかったね。
（結局、残業で30匹釣ってます。)