ナムコの鉄拳、セガのバーチャファイター、コナミの『武戯』
武戯:プレイステーション
格闘ゲームに一番必要な物は何だと思いますか?
攻撃を当てた時の爽快感?熱い駆け引きが可能なシステム?
好みは人それぞれですが、まずやっぱキャラの魅力でしょう!
…という事を納得させてくれるのがこの『武戯』です。
それなりの操作レスポンス、グラフィック(当時にしては)を誇りつつも
鉄拳やバーチャファイターのような一線級となれなかったこの不遇な格闘ゲームにスポットを当ててみましょう。
コナミの格闘ゲーム『ファイティング武術』。そして『武戯』
セガのバーチャファイター、ナムコの鉄拳。3D格闘ゲームに乗ってコナミから登場したのが『武戯』です。プレステで発売されたこの作品ですが、同社がアーケード用として発売した「ファイティング武術」の流れを汲む姉妹作と言えるでしょう。
元の「ファイティング武術」は同期の3D格ゲーと比べてもグラフィックは綺麗な方で、
発売前はそれなりに期待されていたと記憶していますが、この記事を読んでいる人の記憶にまったく存在してないという現実を考えると(ファイティング武術ファンの人ごめんなさい)、ヒットとはとても言えないものであったことが伺えようというものです。
名作になり損ねた理由はいくつかあるかもしれませんが、一番はキャラの魅力がまったくない事だと思っています。
下のファイティング武術キャラ選択画面を見ていただければ分かるかもしれませんが、
これがファイティング武術だ!君は100円投入できるか!?
キャラ選択画面特有のワクワク感というか、期待感がまったく皆無。
にじみ出るこのお通夜感は一体どうしたことでしょう。
やってみようという気になった人が少なかったんでしょうね。
プレステ用タイトルとして同社から発売された『武戯』は、この失敗を繰り返すまいとキャラ方面の強化に舵をきってきたリベンジ的な作品と言えるでしょう。
ただ、舵をきりすぎたのか、みんなの期待を置き去りにして明後日の方向へ逝ってしまわれたようです。
(ちなみにファイティング武術は2ndなるバージョンアップ版も存在し、やっぱり爆死。海外ではそこそこ評価されてるらしい)
斬新な捌きシステム
武戯で使用するボタンは4つ、パンチ、キック、ディフェンス、キャッチ(投げ)。特筆すべきはやはりディフェンスボタン。押しっぱなしにするとただのガードだが、相手の攻撃のタイミングに合わせてボタンを押し始めると、相手の攻撃を捌くことが出来、普通のガードより硬直が短くなるというもの。つまり相手の攻撃の隙をつきやすいのです。
というかシステム的に独特のものと言えばこれしかない。一見斬新なように見えてすごく地味なのもたまにキズです。
捌きだけがこのゲームの特徴か?と聞かれれば言い訳せず「はい!」と答えるのが潔い武戯っ子の在り方です。
ざ、斬新…!かもしれないが、地味!
システムが地味なのは仕方ないが、キャラもアレだ
では、武戯が鉄拳やバーチャの劣化パクリ格ゲーかと言われれば答えはNO!なぜなら前述した、キャラクター方面への力の入れ方が尋常ではないからです。
しかし、力のベクトルが間違っていたらしく、全力で地面に突き刺さってしまっているのがこの『武戯』。
まず、このゲームを語る上で必ず出てくるのが広末涼子もどき、もといSAYAさん。
昔あった実写寄せ系脱衣麻雀風タッチでの登場です。
対戦画面では、当然広末とは似ても似つかないご様子ですが、ローポリながらパンチラも装備していますので、
紳士諸君は我慢しましょう。
嬉し…くはないけど…。
広末だけではありません。
このゲームにはどこかでみたことあるような人がとにかくわんさか。
沈黙シリーズの人だったり、バーチャでみたことあったり、TIMゴルゴ(?)だったりと、とにかく色んな物を煮しめてぶち込んでしまっているのが『武戯』!
中々の面子をそろえながら、まったく触ってみる気にならないのが『武戯』の力です。ファイティング武術の呪いでもかかっているのでしょうか?
主人公YUGOですら、コスチュームチェンジでどこかの三島な人に。
また、デフォルトキャラクターで一人用モードをクリアするとそのキャラに対応した追加キャラクターが増えていきますが…
うーん、嬉しくない。
格ゲーとしてはまあまあ遊べる
操作レスポンスが若干悪い気がするものの、キャラのモーションはなかなか凝っており、捌きの動きの独特さも珍しく格ゲーとしては中々楽しく遊べます。ただ、3D格ゲー特有の技の多さを克服して、やり込もうとする意欲が湧くほどの魅力がキャラにないのが残念です。
個人的にファイティング武術よりはマシになったかな?と思っているので、思い切ってPS4あたりで続編をリリースしてみてはいかがでしょうか?今だと、AKBあたりが何人か混じってるのかなぁ?(本当にありそうなのが怖い)
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